top of page

電子ブレーカーとは:動力の契約電力を下げられるしくみを図で(ふつうのブレーカーとの違い)

2022年7月7日
読了時間: 4分

同じ機械のままで、契約の大きさが変わる理由

作業服とヘルメットの人が分電盤の中をライトで照らしている
写真はイメージです

動力の契約電力を下げる方法として、よく名前が挙がるのが電子ブレーカーです。とはいえ「ブレーカーを替えるだけで、なぜ契約が変わるのか」が分かりにくいという声も聞きます。この記事では、ふつうのブレーカーとの違いと、契約電力が下がるしくみを図で整理します。

前提:契約電力をブレーカーで決める契約

低圧電力の契約電力の決め方には、機械の容量の合計で決める負荷設備契約と、ブレーカー(主開閉器)の大きさで決める主開閉器契約があります。電子ブレーカーが関わるのは後者です。

計算式

  • 契約電力(kW)= ブレーカーの定格電流(A)× 200(V)× 1.732 ÷ 1000

  • ブレーカーが小さくなれば、そのまま契約電力も小さくなります

約款では、契約上のブレーカーを「定格電流を上回る電流に対して電気を切り、使う最大の電流を制限するもの」と定めています。つまり、どれだけ小さなブレーカーで、普段の仕事が止まらずに回るかが、契約電力の決め手になります。

出典:大手電力会社の電気供給約款(契約主開閉器の定義、主開閉器契約の契約電力の計算式)

ふつうのブレーカーとの違い

ふつうのブレーカー / 余裕を見て大きめに選ぶ / 機械の動き始めの大きな電気でも切れないよう、大きめの容量を選びがち / 周りの温度などで動き方に幅がある / その分、契約電力も大きくなる / 電子ブレーカー / 電気を測って見分ける / 流れる電気を細かく測る / 動き始めの一時的な大きな電気と、続く使いすぎを見分ける / 使い方に合った小さめの容量を選びやすい

モーターは、動き始めの一瞬だけ大きな電気が流れます。ふつうのブレーカーでこの一瞬に切れないようにするには、容量を大きめにするしかありません。電子ブレーカーは、短い時間の大きな電気は許し、長く続く使いすぎだけを切るように動くため、容量を使い方に近づけられます。

電子ブレーカーが中でしていること

測る 流れる電気を常に計測 / 計算する 大きさと続いた時間 / 見分ける 一時的か、使いすぎか / 判断する 続けるか、切るか
一時的な大きな電気では切らず、決められた大きさを超える状態が続いたときに電気を切ります。
建物の外壁の電気メーターに手を添える手元
見直しの前には、実際に同時に使っている電気を計測します(写真はイメージです)

仮の数字で見る効果

機械の合計から契約電力を30kWと決めている事業所で、計測の結果、60アンペアの電子ブレーカーで普段の仕事が回ると分かった場合を考えます。60×200×1.732÷1000で、契約電力はおよそ21kWです。

仮の数字での比べ方(契約電力) / いまの契約 機械の合計から / 30kW / 電子ブレーカー 60Aの場合 / 約21kW / 契約電力の差 約9kW
数字は仕組みを説明するための仮の値です。どこまで下げられるかは、計測の結果で変わります。

基本料金は契約電力に比例するため、この例では基本料金がおよそ3割小さくなる計算です。

向いている事業所

機械の数は多いものの、一度に全部は動かさない事業所ほど効果が出やすくなります。飲食店の厨房、整備工場、小さな工場などがその例です。見直しは「計測→試算→工事→届出」の順に進みます。まずは検針票で、いまの契約電力と契約の種類を確かめるところから始めます。

相談の前にそろえたい3つのこと

1つ目は、検針票に書かれた契約電力と契約の種類です。2つ目は、動力でつないでいる機械の一覧で、機械の名前と、銘板に書かれた容量(kW)があれば十分です。3つ目は、機械を一度に動かす時間帯のおおよそです。開店前や始業のときに一斉に入れているのか、時間をずらしているのかで、選べるブレーカーの大きさが変わります。この3つがそろうと、計測の段取りや、効果の見込みの話が具体的になります。

よくある質問

Q. 電子ブレーカーに替えると、機械の使い方を変える必要がありますか。

A. 多くの場合、これまでどおりに使えます。ただし、同時に使う電気がブレーカーの大きさを長く超えると電気が切れるため、計測の結果をもとに、余裕のある大きさを選ぶことが前提です。

Q. 負荷設備契約のままでも、電子ブレーカーで契約電力は下がりますか。

A. 契約電力がブレーカーの大きさで決まるのは主開閉器契約です。負荷設備契約の事業所では、主開閉器契約への切り替えとあわせて検討します。

Q. 取り付けの工事は、どのくらいの時間がかかりますか。

A. 分電盤の状況によって変わります。工事の間は電気を止める必要があるため、営業や作業に影響の少ない日時を、業者と相談して決めます。

Q. どんな事業所でも効果がありますか。

A. 機械が多くても一度に全部は動かさない事業所ほど、効果が出やすくなります。反対に、すべての機械をほぼ同時に長く動かす事業所では、効果は小さくなります。

Q. あとで機械を増やしたくなったら、どうなりますか。

A. 同時に使う電気が増えると、いまのブレーカーの大きさでは足りなくなることがあります。機械を増やす前に、増やした後の使い方で足りるかを確かめ、必要ならブレーカーの大きさと契約を見直します。

まとめ

  1. 主開閉器契約では、ブレーカーの大きさがそのまま契約電力になります。

  2. 電子ブレーカーは一時的な大きな電気と使いすぎを見分け、容量を使い方に近づけられます。

  3. 効果は計測で確かめてから判断します。

この記事に関連するサービス

システム・ブレーカー(電子ブレーカーのレンタル)

動力(低圧電力)の契約電力を、実際に同時に使う電気に合わせて見直すための電子ブレーカーを、レンタルでご提供しています。計測調査のうえで、見直しによる効果の見込みをお示しします。検針票をお手元にご相談ください。

関連するコラム

  • 「力率」とは:動力の基本料金が割引・割増になるしくみと、進相コンデンサの確かめ方

  • 夏の電気代を前の年と比べるときの落とし穴:使用量・単価・日数を分けて見る

  • 工場のコンプレッサー:空気漏れで電気代はいくら増えるか、仮の数字で計算する

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
bottom of page