秋の新メニューは試作の段階で揚げ油も記録する:1品ごとの記録表と、売り出す前に決める2つ
味と見た目だけでなく、油の色・泡・揚げかすを試作の表に残す。売り出してからの「油が早く傷む」を防ぐ

秋は、きのこやさつまいも、秋の魚など、旬の食材を使った揚げ物の新メニューを考える季節です。試作では味や見た目、揚げ時間を確かめますが、揚げ油がどう変わったかまで記録している店は多くありません。売り出してから「油が早く傷む」と気づくと、交換の回数も油代も慌てて見直すことになります。この記事では、試作の段階で油の様子を記録する表と、その使い方を整理します。
試作の記録表に設ける欄
新メニュー1品につき1枚にします。味の記録の横に、油の欄を足すだけで十分です。
欄 | 書き方 | 売り出す前にわかること |
|---|---|---|
揚げた槽と温度 | 槽の番号・設定の温度 | いつもの品と同じ槽で揚げられるか |
揚げた数と時間 | 個数・1回あたりの分数 | 1日の見込みの数での負担 |
揚げる前と後の色 | ○・△・×(試験紙を使う店はその色) | 油の色の変わり方 |
泡・におい | ○・△・× | ほかの品ににおいが移るか |
揚げかすの量 | 多・中・少、すくった回数 | 営業中にすくう回数 |
油の減り | 揚げる前と後の油面の差 | 継ぎ足しの量の見込み |
○△×の状態は、ふだんの点検表と同じ言葉で決めておくと、試作と営業の記録を並べて見られます。試作を何度か重ねる場合は、衣や下味を変えた回ごとに1行を足し、どの回で油の様子が変わったかを残しておきます。衣を薄くした回で揚げかすが減った、といった違いが、メニューの決め方そのものの材料になります。

試し方の手順

試作の数が少なすぎると、油の変化はほとんど出ません。1日に売れる見込みの数を先に表に書き、それに近い量を揚げてから記録します。試験紙を使う店は、揚げる前と後で同じ試験紙を使います。
傷みの目安は、かつて国が示していた弁当・そうざいの衛生の目安が参考になります。発煙、細かい泡が消えにくい状態、粘りの状態から判断して、明らかに傷んだ油は全部を替えることとされ、酸価が2.5を超えたものもその対象とされていました。
出典:厚生労働省の資料(弁当及びそうざいの衛生規範。この規範は2021年6月に廃止。目安として紹介)
売り出す前に決める2つ
記録がそろったら、売り出す前に次の2つを決めます。



売り出した後の最初の2週間
試作の見込みと比べること
実際に売れた数は、試作で見込んだ数と近いか
交換までの日数は、見込みどおりか
ほかの品に、においや色が移っていないか
継ぎ足しの量は、見込みより増えていないか
見込みと違っていたら、試作の記録表に戻って、どの欄がずれたかを確かめます。記録表は次の季節の新メニューの試作でも使えるので、とじて残しておきます。油の交換の回数を抑える道具を考えるときにも、この記録が相談の材料になります。
よくある質問
Q. 試作は、どの油で揚げればよいですか。
A. いつもの営業と同じ種類の油で、できれば替えたばかりの油の日に試します。前の日までの傷みが混ざらないため、新メニューを揚げたことによる変化を見分けやすくなります。
Q. 試作で何個くらい揚げれば、油の様子がわかりますか。
A. 決まった数はありませんが、1日に売れる見込みの数に近い量を揚げると、営業の日の様子に近づきます。少なすぎると変化が出ないため、見込みの数を表に書いてから試します。
Q. 記録した結果、油が早く傷みそうだとわかったら、メニューをやめるべきですか。
A. やめる前に、揚げる槽を分ける、揚げる時間帯をまとめる、衣や下味の汁気を見直す、などで変えられることがあります。それでも交換が早まるなら、その分の油代を価格の決め方に入れておきます。
Q. 酸価の試験紙は、試作でも使ったほうがよいですか。
A. 使うと、揚げる前と後の油の傷み具合を色で比べられます。営業の日と同じ試験紙を使えば、試作の結果を営業の記録と並べて見られます。
まとめ
新メニューの試作では、味の記録の横に油の欄を足します。
替えたばかりの油で、見込みの数を揚げて記録します。
売り出す前に揚げる槽と油代の見込みを決めます。
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