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工場の夏の換気扇と送風機:回転を2割落とすと電気は約半分になる理由と、契約電力への影響

7月2日
読了時間: 4分

風の量は回転に比例し、電気は回転の3乗に比例する。動かし方を変えると基本料金も見直せる

作業服の人が工作機械で部品を加工している
写真はイメージです

夏の工場では、熱やにおいを逃がすための換気扇や送風機が、朝から夕方まで動き続けます。一台一台は小さくても、台数が多く、動く時間が長いため、夏の電気代に占める割合は意外と大きくなります。この記事では、換気扇・送風機の回転と電気の関係を仮の数字で計算し、動かし方の工夫が電気代と契約電力にどう効くかを整理します。

回転と電気の「3乗の関係」

換気扇・送風機・ポンプのような機械では、風や水の量は回転の速さに比例し、使う電気(動力)は回転の速さの3乗に比例するとされています。回転を定格の80%にすると、風の量は80%ですが、電気は0.8×0.8×0.8=約51%になる計算です。

回転の速さと使う電気(定格を100とした場合) / 定格の回転 風の量も定格 / 電気100 / 回転90% 風の量90% / 電気約73 / 回転80% 風の量80% / 電気約51 / 回転を2割落とすと 電気は約半分
0.9の3乗=0.729、0.8の3乗=0.512。理論の上での値で、実際にはモーターや装置の効率によって変わります。

出典:中小企業基盤整備機構の省エネの解説(ポンプ・ファンの回転数制御)

弁やダンパーで風を絞る方法では、回転はそのままのため、電気はあまり減りません。回転そのものを落とすことが、電気を減らす近道です。

仮の数字で1か月の差を計算する

たとえば、5.5kWの送風機を1日10時間、月に25日動かしている工場を考えます(仮の数字)。定格の回転のままなら、5.5×10×25=1,375kWhです。回転を80%に落として同じ時間動かせば、理論の上では0.512倍の約704kWhになり、月に約670kWh少なくなる計算です。電力量料金の単価が1kWhあたり30円なら、約2万円の差になります。実際の効果はモーターや回転を調整する装置の効率で変わるため、導入の前に業者に見込みを出してもらいます。

夏の換気扇・送風機で確かめること

動かし方の点検

  • 人がいない場所・時間にも、全台が動いていないか

  • 朝の始業前や、気温の低い時間にも最大の風で動いていないか

  • 風を弁やダンパーで絞って使っていないか

  • フィルターや羽根にほこりがたまり、余計な力を使っていないか

  • 大きな機械の起動と、換気扇の起動が同じ時刻に重なっていないか

ビルの屋上に並ぶ空調の室外機
屋上や壁の機械は目に入りにくく、動きっぱなしになりやすい場所です(写真はイメージです)

契約電力にどう効くか

動力の基本料金は、契約電力で決まります。換気扇や送風機を全台いっせいに最大で動かす使い方では、同時に使う電気が大きくなり、契約電力を下げにくくなります。

いっせいに動かす / 重なりが大きい / 始業時に全台を最大で起動 / 大きな機械の起動と重なる / 同時に使う電気が増える / ずらして動かす / 重なりが小さい / 場所ごとに起動の時刻をずらす / 気温に合わせて回転を落とす / 同時に使う電気が下がる

同時に使う電気が下がれば、ブレーカーの大きさで契約電力を決める主開閉器契約で、契約電力を見直せる余地が生まれます。ただし、北海道では冬の暖房や融雪の機械で使う電気が増える事業所も多いため、1年でいちばん重なる時の電気を測ってから考えます。

進め方

まずは換気扇・送風機の台数と、それぞれの容量(kW)、動かしている時間を書き出します。そのうえで、夏の一日と冬の一日の使い方を測り、同時に使う電気の山がいつ、どのくらいかを確かめます。検針票と機械の一覧があれば、契約電力の見直しの相談がしやすくなります。

よくある質問

Q. どの換気扇でも、回転を落とせますか。

A. 回転を変えるには、インバーターなどの回転を調整する装置が要ります。後から付けられるかどうかは、モーターの種類や使い方で変わるため、電気工事の業者に確かめます。

Q. 回転を落とすと、換気が足りなくなることはありますか。

A. 必要な換気の量は、作業の内容や建物の決まりで変わります。落とす前に、においや熱のこもり方、決められた換気の量を確かめ、足りる範囲で調整します。

Q. 3乗の関係は、どんな機械にも当てはまりますか。

A. 換気扇や送風機、ポンプのように、回転が上がると負荷も増える機械で当てはまる関係です。深い井戸のポンプのように、高さを持ち上げる力が常に要る使い方では、効果が小さくなります。

Q. 夏だけ回転を落としても、基本料金は下がりますか。

A. 基本料金は契約電力で決まるため、夏の使い方だけでは下がらないことがあります。冬の暖房や融雪の機械を含めて、1年でいちばん重なる時の電気を確かめてから考えます。

まとめ

  1. 換気扇・送風機の電気は回転の3乗に比例し、回転を2割落とすと約半分になります。

  2. 風は弁で絞るより、回転を落とすほうが電気が減ります。

  3. 起動をずらして同時に使う電気を下げると、契約電力の見直しにつながります。

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