自動車整備工場の動力:コンプレッサーとリフトの契約電力
動き方の違う機械を分けて考えると、同時に使う電気が見えてくる

自動車整備工場では、コンプレッサー、リフト、タイヤの交換やバランスの機械、洗車の機械など、動力で動かす機械が並んでいます。それぞれの動き方は大きく違い、すべてが同時に全力で動くことはあまりありません。8月のコラムでは鉄工所を例にしましたが、この記事では架空の整備工場を例に、仮の数字で契約電力の考え方を整理します。
機械ごとの動き方
機械 | 出力(仮の数字) | 動き方 |
|---|---|---|
コンプレッサー | 7.5kW | 圧力が下がると動き、満たされると止まる |
リフト 3台 | 各2.2kW | 上げ下げの短い時間だけ |
タイヤの機械 2台 | 計2.4kW | 交換の時期に多く使う |
洗車の機械 | 3.5kW | 仕上げの時だけ |
※この記事の整備工場は架空の例で、出力・契約電力・単価はすべて計算のための仮の数字です。合計は7.5+2.2×3+2.4+3.5=20kWです。
出力を足すと20kWですが、リフトの上げ下げと洗車とタイヤの機械が同時に動く時間は、作業の流れを考えると短いものです。
とくにリフトは、車を上げ下げする数十秒から数分のあいだしか動きません。車を上げている間の点検や修理の時間は、リフトのモーターは止まっています。コンプレッサーも、エアツールを使い続ける時間を除けば、動いたり止まったりを繰り返します。「台数が多い機械ほど、動いている時間は短い」ことが、整備工場の動力の特徴といえます。
同時に使う電気を考える
同時に使う電気の大きさは、ふだんの作業の中で計測して確かめます。この例では、タイヤ交換の時期を含めて計測したところ、多い時でも12kWほどだったとします。


契約電力を見直した場合の差

※基本料金の単価1kWあたり1,000円と契約電力は計算のための仮の数字です。(20kW−14kW)×1,000円=6,000円、6,000円×12か月=72,000円。実際の単価は契約先の料金表で確かめてください。
整備工場で確かめたいこと
見直しの前に
コンプレッサーのタンクの大きさと、動く時間
リフトを同時に上げ下げすることがあるか
タイヤ交換の時期の作業の混み方
洗車や乾燥の機械を使う時間帯
今後、機械を増やす予定があるか
春と秋のタイヤ交換の時期は、北海道の整備工場にとって一年でも忙しい時期です。その時期の使い方を考えに入れた契約にしておくと、忙しい日に機械が止まる心配を減らせます。
冬の工場ならではの設備
北海道の整備工場では、冬に工場の中を暖める暖房や、出入り口の融雪の設備を使うこともあります。これらが動力の契約に入っている場合は、冬の朝に暖房と機械が一度に動き出し、同時に使う電気が大きくなりやすくなります。計測は、冬の朝の始業の時間も含めて行い、暖房を入れる時刻を少し早めるなど、動き出しをずらせるかを考えます。冬のピークを踏まえて契約を決めておくと、寒い日に機械が止まる心配を減らせます。
よくある質問
Q. リフトを何台も同時に上げることはよくありますか。
A. 作業の混む時間には重なることもありますが、リフトが動くのは上げ下げの短い時間です。台数が多い工場でも、上げ下げの時間がぴったり重なることは多くありません。
Q. コンプレッサーは、ずっと動いているのではないですか。
A. 多くのコンプレッサーは、タンクの空気の圧力が下がると動き、満たされると止まります。エアツールをよく使う時間ほど、動く時間が長くなります。
Q. タイヤ交換の時期は、どう考えればよいですか。
A. 北海道では、タイヤ交換の時期にタイヤの機械とコンプレッサーを使う時間が長くなります。計測は、その時期の使い方も考えに入れて行います。
Q. この記事の数字は、実際の工場の数字ですか。
A. この記事の機械の出力や契約電力、単価は、すべて計算のための仮の数字です。実際の効果は、工場ごとの機械と使い方によって違います。
Q. 暖房や照明も動力の契約に入っていますか。
A. 照明やコンセントは電灯の契約、機械や業務用の空調は動力の契約、というように分かれていることが多いです。どの設備がどちらの契約かは、分電盤や明細で確かめます。
まとめ
整備工場の機械は動き方がそれぞれ違い、同時に全力で動くことは少なめです。
契約電力は、計測した重なり方に余裕を持たせて考えます。
タイヤ交換の時期の使い方も考えに入れます。
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