鉄工所の電気代:機械が多くても契約電力を下げられることがある理由(例で考える)
機械の合計と、同時に動かす電気の大きさは違う

旋盤、ボール盤、溶接機、コンプレッサー。鉄工所には動力で動かす機械がたくさん並んでいます。「これだけ機械があるのだから、契約電力が大きいのは仕方がない」と考えがちですが、すべての機械を同時に、目いっぱい動かす時間はそう多くありません。この記事では、架空の鉄工所の例と仮の数字を使って、契約電力を見直す考え方を整理します。
例:架空の鉄工所の機械
機械 | 出力(仮の数字) | 使い方 |
|---|---|---|
旋盤 2台 | 各7.5kW | 加工の仕事がある日中 |
ボール盤・切断機 | 計6kW | 短い時間ずつ |
溶接機 | 12kW | 溶接の仕事の時だけ |
コンプレッサー | 7.5kW | 動いたり止まったり |
クレーン・その他 | 計4.5kW | 荷を動かす時だけ |
※この記事の鉄工所は架空の例で、出力・契約電力・単価はすべて計算のための仮の数字です。合計は7.5+7.5+6+12+7.5+4.5=45kWです。
機械の出力を足すと45kWになり、動力(低圧電力)の契約電力も45kWで結ばれていたとします。けれども、溶接とクレーンと旋盤2台が同時に全力で動く時間は、作業の流れを考えるとほとんどありません。
同時に使う電気を計測する
見直しの出発点は、実際に同時に使っている電気の大きさを計測することです。この例では、ふだんの作業がひととおり入る期間に計測したところ、同時に使う電気は多い時でも28kWほどだったとします。
なぜ合計の45kWより小さくなるのでしょうか。旋盤で加工している間、溶接機は止まっていることが多く、クレーンは荷を動かす短い時間しか動きません。コンプレッサーも、タンクの空気が減ったときだけ動きます。職人の手は一つの作業に向いているため、人の数より多くの機械が同時に全力で動くことは、ふだんの作業ではあまり起きないことが多いのです。

契約電力を見直した場合の差
28kWに余裕を持たせて、契約電力を30kWにした場合の基本料金の差を、仮の単価で計算します。

※基本料金の単価1kWあたり1,000円は計算のための仮の数字です。(45kW−30kW)×1,000円=15,000円、15,000円×12か月=180,000円。実際の単価は契約先の料金表で確かめてください。
見直しで気をつけたいこと
鉄工所で確かめたいこと
同時に動かすことが多い機械の組み合わせ
溶接機など、瞬間的に大きな電気を使う機械の有無
繁忙期に機械を増やして動かすことがあるか
今後、機械を増やす予定があるか
作業の順番を少しずらせる工程があるか
電子ブレーカーを使う方法では、機械ごとの使い方を計測したうえで、契約の大きさを考えます。計測の結果と、作業の現場の声の両方を突き合わせることが、止まらない見直しにつながります。
見直しは、一度決めたら終わりではありません。仕事の量や受ける注文の種類が変わると、同時に動かす機械の組み合わせも変わります。年に一度は請求書と作業の様子を見比べ、契約が今の使い方に合っているかを確かめると安心です。
よくある質問
Q. 契約電力を下げると、機械が止まることはありますか。
A. 同時に使う電気が契約の大きさを超えると、ブレーカーが働いて止まるおそれがあります。そのため、実際の使い方を計測し、余裕を持った大きさで考えることが大切です。
Q. 計測は、どのくらいの期間が必要ですか。
A. 仕事の多い時期と少ない時期で使い方が変わるため、ふだんの作業がひととおり入る期間で計測します。季節で変わる設備がある場合は、その点も考えに入れます。
Q. 溶接機のように、一瞬だけ大きな電気を使う機械はどうなりますか。
A. 動き始めや作業の瞬間に大きな電気を使う機械は、その特徴も踏まえて考える必要があります。機械の種類と使い方を伝えたうえで、専門の業者に相談します。
Q. この記事の数字は、実際の事例ですか。
A. この記事の鉄工所は架空の例で、数字はすべて計算のための仮の数字です。実際の効果は、事業所ごとの機械と使い方によって違います。
Q. 機械を増やす予定がある場合は、どうすればよいですか。
A. 増やす予定の機械の出力と、ほかの機械と同時に動かすかどうかを考えに入れて、契約の大きさを決めます。予定がはっきりしてから見直すほうが、二度手間になりません。
まとめ
機械の出力の合計と、同時に使う電気は違います。
まず計測し、余裕を持たせた大きさで考えます。
例の数字は架空・仮の数字です。実際の効果は事業所ごとに違います。
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